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📚 2026年5月 月次論文レビュー — 💊 メディシナルケミストリー

対象期間: 2026-05-01 〜 2026-05-31 このページ: 11〜20 件目 各ボタンは独立したトグル(複数同時ON可)
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11. What Do Oral Drugs Really Look Like? Dose Regimen, Pharmacokinetics, and Safety of Recently Approved Small-Molecule Oral Drugs▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.jmedchem.5c02863 · 📅 2025年11月 / Journal of Medicinal Chemistry 2025, 68, 23751-23780 · メディシナルケミストリー
判断:
本論文は AstraZeneca の Dean G. Brown による Journal of Medicinal Chemistry の Perspective 論文であり、2020 年から 2024 年にかけて FDA に承認された低分子経口薬 104 剤を対象に、その用量・投与頻度・ヒト薬物動態(PK)・薬物相互作用(DDI)・安全性警告を、添付文書および規制承認文書から横断的に抽出・集計したものである。著者の動機は明快で、創薬プロジェクトでは「低用量・1日1回投与(QD)・Ro5 遵守こそが経口薬の理想」という規範が広く共有されているが、実際に最近承認された薬を見るとその規範から外れる例外が数多く存在する、という現実を定量的に示すことにある。
📣 2020-24年FDA承認経口薬104剤を解析。QDは67%だがFIC/ODD薬はBID/TIDが約5割、用量中央値も高い。PPB≥95%が59%、CYP3A4代謝46%・誘導DDI62%。「過度に厳格なDC基準は革新薬を潰す」と警鐘。J Med Chem Perspective
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12. Scaffold Fusion and SAR Transfer with a Chemical Language Model Generates Novel Liver X Receptor Modulators▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.jmedchem.5c01551 · 📅 2025年10月(Journal of Medicinal Chemistry, Received 2025-06-06 / Accepted 2025-10-13, Open Access CC-BY 4.0) · メディシナルケミストリー
判断:
肝臓 X 受容体(LXR; サブタイプ LXRα/NR1H3 と LXRβ/NR1H2)は、コレステロール恒常性・脂質代謝・炎症を制御する核内受容体で、アテローム性動脈硬化やアルツハイマー病、そして近年注目される代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の創薬標的である。とくに肝臓における LXR のインバースアゴニズムは、SREBP1c を介した de novo 脂質生成を抑える MASLD 治療戦略として有望視されている。本研究は、SMILES を生成する化学言語モデル(CLM, chemical language model)を「探索的(explorative)」に応用し、既存の異なる LXR リガンドのスキャフォールドを融合(scaffold fusion)して構造活性相関(SAR)を転移させながら、…
📣 化学言語モデルで複数のLXRリガンド骨格を融合させ新規モジュレーターを設計・合成。EC50約0.56µMの部分アゴニスト1と、選択的インバースアゴニスト3を取得。3はMASLDモデルで脂質生成を抑え脂肪溶解活性を示した。J Med Chem 2025。
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13. Scaffold Hopping in Tuberculosis Drug Discovery: Principles, Applications, and Case Studies▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.jmedchem.5c01100 · 📅 2025年9月(accepted 2025-09-17), Journal of Medicinal Chemistry (Perspective) · メディシナルケミストリー
判断:
本稿は結核(TB)創薬における scaffold hopping を主題とした Journal of Medicinal Chemistry の Perspective(総説/展望論文)である。結核は単一感染因子による死因として依然世界最大級であり、2023 年だけで約 1,080 万人の新規感染と約 125 万人の死亡、約 40 万人の薬剤耐性 TB 患者が報告されている。標準 6 か月レジメン(INH/RIF/EMB/PZA)の成功率は 85% にとどまり、MDR-TB・pre-XDR-TB・XDR-TB の拡大が新規化学構造の探索を急務にしている。著者らはこの文脈で、既知活性化合物の分子骨格(コア)を構造変換しつつ key となるリガンド-標的相互作用を保つことで活性を維持・改善する medicinal…
📣 J Med Chemの総説。結核創薬のscaffold hoppingをSunの4段階分類で体系化。Q203→TB47、PBTZ-169系、BDQ→sudapyridine等の事例で、key相互作用を保てば骨格を変えても活性維持という原則を整理。in silico/AI活用が今後
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14. Development of Two Complementary Epimerization-Resistant Fragment Coupling Reactions for Highly Convergent Synthesis of N-Alkyl-Rich Peptides▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.joc.6c00433 · 📅 2026年4月(J. Org. Chem. 2026, 91, 6502–6516) · メディシナルケミストリー
判断:
本論文は中外製薬の創薬技術部門による合成方法論研究で、N-アルキル(特に N-メチル)に富む中員環ペプチド医薬の効率的な合成を可能にする、エピマー化に耐性の高い 2 種類の相補的なペプチドフラグメントカップリング反応を報告している。N-メチル化アミノ酸はシクロスポリン A や KRAS 阻害剤 LUNA18(paluratide)に代表されるように、ペプチド主鎖に組み込むことで膜透過性と代謝安定性を高め、細胞内の難標的への到達や経口投与の可能性を開く重要な構造要素である。一方でペプチドは合成が長く、非天然アミノ酸が構造的複雑さと合成難易度を増すため、研究から商用生産まで高純度・大量に作れる手法が強く求められている。
📣 中外製薬がN-アルキルリッチペプチドの収束合成を阻んできたフラグメントカップリングのエピマー化問題を解決。N-H/N-MeはPivCl混合無水物-二相系、N-Me/N-MeはHOPO+Oxyma-Bの二重活性化剤系で、汎用試薬のみdr>99:1を達成。J. Org. Chem.
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15. Discovery of a High-Potency Balanced GLP-1/GIP Dual Agonist by Molecular Dynamics Evolution▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.jmedchem.6c00466 · 📅 2026年(受理 4月29日), Journal of Medicinal Chemistry (Drug Annotation) · メディシナルケミストリー
判断:
本論文は、2 型糖尿病・肥満治療を狙う GLP-1R/GIPR 二重作動性ペプチド HDM1005(一般名 poterepatide、開発コード ZMHD-P016、現在第 III 相 CTR20253677)の創製を報告する Drug Annotation である。著者らは「molecular dynamics evolution」と呼ぶ構造ガイド設計サイクルを採用し、計算化学(AlphaFold3 による構造予測、膜系での全原子 MD、MMGBSA、トラジェクトリベースの計算アラニンスキャン、回転半径による立体衝突解析)を候補選抜の中心に据えながら、Fmoc 固相合成による側鎖選択的アシル化とインビトロ/インビボ薬理を組み合わせている。
📣 GLP-1/GIP二重作動薬HDM1005をMD evolutionで創製。AF3+膜MD+MMGBSA計算アラニンスキャンと回転半径で残基・アシル化部位を選定。Tirzepatide比で結合4.1倍・EC50 0.0286nM、減量39.97%、第III相進行中。
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16. An update on patent issues regarding antibody-drug conjugates▶ スライドあり
DOI: 10.1038/s41587-026-03122-3 · 📅 2026年5月 / Nature Biotechnology, Volume 44, 689-694 · メディシナルケミストリー
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本稿は特許弁理士である Ulrich Storz(Michalski Hüttermann & Partner, ドイツ・デュッセルドルフ)が Nature Biotechnology の Feature/Patents コラムとして寄稿した、抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate, ADC)の特許ランドスケープに関する解説記事である。著者が 2015 年に MAbs 誌で発表した同テーマの総説の 10 年後アップデートに位置づけられ、基本原則は依然有効であるものの、ADC を取り巻く技術と知財状況がこの 10 年で劇的に進化・多様化したことを論じる。市場規模は 2022 年に 76 億ドル、年平均成長率 15.
📣 ADC特許ランドスケープの10年アップデート(Nat Biotechnol 2026)。antibody-linker-toxinの三要素が個別に特許性を付与。Enhertu vs Kadcylaで切断性リンカーとbystander effectを対比、Seagen v. Dai
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17. 2025 FDA approvals▶ スライドあり
DOI: 10.1038/d41573-026-00001-z · 📅 2026年1月 / Nature Reviews Drug Discovery (News) · メディシナルケミストリー
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本稿は Nature Reviews Drug Discovery が毎年掲載している FDA 承認薬の年次総括ニュース記事であり、著者は同誌のシニアエディタ Asher Mullard である。2025 年に FDA の医薬品評価研究センター(CDER)が承認した新規治療薬は 46 剤で、これにより直近 5 年平均は 48 剤/年へとわずかに低下したが、1993 年以降の歴史的平均である 36 剤/年は依然として大きく上回っている。さらに生物製剤評価研究センター(CBER)はワクシンや遺伝子治療を含む 8 件の注目すべき製品を承認した。記事は単なる承認リストの羅列にとどまらず、治療領域・モダリティ・作用機序の分布を集計し、ファーストインクラス薬や新規モダリティ、…
📣 2025年FDA承認は新薬46剤。がんが35%で最多、キナーゼ阻害剤は低分子の約1/3で過去最多、100番目の承認キナーゼ阻害剤も登場。Nav1.8鎮痛薬や初のadnectin、非営利初の遺伝子治療など多様化が進む。NRDD年次総括。
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18. Hypothesis driven drug design: improving quality and effectiveness of the design-make-test-analyse cycle▶ スライドあり
DOI: 10.1016/j.drudis.2011.09.012 · 📅 2012-01 / Drug Discovery Today, Vol. 17, Numbers 1/2 · メディシナルケミストリー
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本論文は AstraZeneca の心血管・消化器領域 (CVGI) R&D が、創薬の中核プロセスである design-make-test-analyse (DMTA) サイクルをどう統合的に改善したかを報告したパースペクティブ(レビュー)である。なお新規の計算化学アルゴリズムを提案するものではなく、創薬プロジェクトを加速するための組織運営・ワークフロー・ツール基盤の改善を主題とする点に注意したい。著者らの中心的な主張は、プロジェクトの加速には「プロジェクト戦略と求められる候補プロファイルに沿った、高品質なアイデア(仮説)の滑らかで高速な流れ」が必要であり、DMTA の各工程は互いの入出力に強く依存するため、…
📣 AstraZenecaがDMTAサイクルを多分野統合で改善した2012年総説。Design Tracker、並列試験(10日で80%)、MMP解析を軸にサイクル時間46%減・候補単価約50%減。多パラメータ品質管理が鍵。
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19. Mighty mini-PROTACs: an emerging class of degraders▶ スライドあり
DOI: 10.1016/j.ejmech.2025.118202 · 📅 2026-01 (online 2025-10-03), European Journal of Medicinal Chemistry 301 (2026) 118202, PROTAC 特集号 · メディシナルケミストリー
判断:
本稿は Southern University of Science and Technology の Rao グループ (Xiao Chen, Kefan Liao, Jiawei Yuan, Jianchao Zhang, Hai Rao) による総説で、ユビキチン-プロテアソーム系 (UPS) を再配線して標的タンパク質を分解する PROTAC 技術の最大の弱点である「分子量の大きさと E3 リガーゼの偏り」を、N-end rule (N-degron) 経路という古くて新しい分解経路で乗り越える「mini-PROTAC」を体系的に紹介している。古典的 PROTAC は POI 結合 warhead と E3 リガーゼ結合子を linker でつないだ二価分子であり、…
📣 総説: N-end rule経路を使うmini-PROTAC。warheadに単一アミノ酸を付けるだけで6種以上のE3を動員。linker-free Pro-BA(584Da)はDC50 74nM。degron交換で分解速度を調律可能。
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20. Discovery of MK-5661, a Once-Daily Oral NaV1.8 Inhibitor for the Treatment of Pain▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acsmedchemlett.6c00132 · 📅 2026年4月 · メディシナルケミストリー
判断:
Merck & Co.の研究グループ(Bungard, Burgey ら)が、電位依存性ナトリウムチャネル NaV1.8 の選択的阻害剤 MK-5661(化合物15)を報告した論文。NaV1.8 は末梢侵害受容性神経(C線維・Aδ線維)に高発現するナトリウムチャネルであり、オピオイドに依存しない新規疼痛治療標的として注目を集めている。本論文では、先行リード化合物からの最適化として、PXR(pregnane X receptor)活性化の低減と VLE(Volume Ligand Efficiency)指標を用いた低用量設計の2つの戦略を組み合わせ、1日1回(QD)経口投与に適した化合物の発見を報告している。
📣 Merck が NaV1.8 選択的阻害剤 MK-5661 を報告。VLE>6.5 指標でヒト QD 40mg 予測、hERG 5800倍選択性、ヒト化ラット+アカゲザルで疼痛抑制確認。非オピオイド疼痛治療の新候補。 #MedChem #Pain
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