創薬では「低用量・1日1回投与(QD)・Ro5遵守」が理想とされ、開発候補(DC)基準として規範化されている。しかし著者は、最近の承認薬を見るとこの規範から外れる例外が数多く存在すると指摘する。プロジェクトがin vivo・臨床候補に近づくほど、単純な物理化学プロパティの予測力は実測PK・前臨床毒性データに取って代わられる。
→ 2020-24年FDA承認低分子経口薬 n=104 の用量・投与頻度・PK・DDI・安全性をラベル/規制文書から横断集計
投与頻度(TID/BID/QD/<QD)、1日用量ヒストグラム(急性/休薬除外も併記)、Cmax/AUC/Vd/CL/t1/2の四分位、PPB分布、代謝酵素・DDI・黒枠警告を集計。後半でアロメトリックスケーリング・IVIVc・PK/PD等の用量予測実務手法を紹介。
全体はQD 67%だが、FIC薬のBID/TIDは50%(非FIC 19%)、ODD薬は41%(非ODD 20%)。新規性・希少性が高いほど頻回投与が許容される。
1日用量中央値は全体106mg、FIC/ODDは200mgと高い。血漿タンパク結合(PPB)は≥95%が59%・>99%が29%で高度結合薬が大多数。
主要代謝酵素はCYP3A4が46%で圧倒(次点2C8 8%・2C9/1A2 6%)。DDI警告も104剤中CYP3A4誘導62剤・阻害48剤・基質30剤と3A4関連が支配的。
ヒトPK中央値:Cmax 500 ng/mL・AUC 3769 ng·h/mL・Vd 235 L・CL 19 L/h・t1/2 14.8h(QD主体を反映)。
「これは絶対に薬にならない」を承認薬の実測分布で校正せよ
→ 計算化学パイプラインでは、これらの承認薬経験分布をmolgenのスコアラー・dockingのADMETフィルター・fepの用量予測軸として実装し、Ro5固執を避けた現実的なトリアージを実現できる。