抗体薬物複合体(ADC)市場は2022年に76億ドル、2033年に286億ドル到達予測(CAGR 15.2%)。上市ADCは2015年の3品目から2024年に15品目、臨床試験中は260品目超へと急拡大した。新標的・新リンカー技術・新トキシンの開発が膨大な投資のもと特許で保護され、freedom-to-operate(FTO)が極めて困難な重複権利網を形成している。
→ 著者の2015年版総説の10年後アップデート。三要素ごとの保護戦略・存続期間・FTO・判例を整理
抗体(target/epitope vs 構造クレーム)、リンカー(Cys/Lys/酵素コンジュ・thiomab・DAR均一性)、トキシン(疎水性・bystander effect)、Fcエフェクター機能(サイレンシング/増強)。
Cys=site-specific/均一DAR志向、Lys=ランダム/広範DAR。site-specificityスコアラーの設計指標。
市場規模も76億ドル('22)→286億ドル('33)予測。投資拡大に伴い特許網が複雑化。
| 項目 | Enhertu | Kadcyla |
|---|---|---|
| 抗体 | trastuzumab(共通) | |
| リンカー | 切断性 (GGFGペプチド) | 非切断性 |
| トキシン | deruxtecan (Topo阻害) | mertansine (チューブリン阻害) |
| bystander effect | あり | なし |
| 放出種の電荷 | 無荷電→膜透過 | Lys残存→透過不可 |
切断性リンカーがnaked toxinを放出し、無荷電ゆえ膜を拡散して隣接細胞も殺傷。HER2-low/ultralowでも有効性を実証。
Seagenが2019年分割出願US10808039(Gly/Phe限定テトラペプチドリンカー)をEnhertuに権利行使。
→ 米国の高い記載・実施可能要件が反映された判決。今後訴訟増加を予想。