📚 月次論文レビュー — 🔬 計算化学 対象期間: 2026-03-28 〜 2026-04-27(過去30日) このページ: 31〜40 件目 各ボタンは独立したトグル(複数同時ON可)
31. Deep Learning and Molecular Dynamics Reveal Promising EZH2 Inhibitors for Epigenetic Cancer Targeting▶ スライドあり
DOI: 10.1016/j.compbiolchem.2025.108784 · 📅 2025年11月 · 計算化学
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EZH2(Enhancer of Zeste Homolog 2)はPRC2複合体のヒストンメチルトランスフェラーゼで、H3K27me3修飾を介してがん抑制遺伝子の転写サイレンシングを誘導するエピジェネティック標的である。本研究は生成AI(REINVENT)・構造ベーススクリーニング(分子ドッキング)・MM/GBSA自由エネルギー計算・100ns MDシミュレーション・QSAR・DFT計算を統合した多段階ワークフローで、FDA承認EZH2阻害剤Tazemetostatを凌駕する4リード化合物(161・225・234・383)を同定した。
📣 REINVENT+MD+MM/GBSAでEZH2阻害剤を設計。化合物383がTazemetostat(-4.5 kcal/mol)より強い結合(-6.4 kcal/mol)かつ最低RMSD/RMSFで安定。生成AIと計算化学統合の教科書的ワークフロー。
32. Active Learning FEP Using 3D-QSAR for Prioritizing Bioisosteres in Medicinal Chemistry▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acsmedchemlett.4c00554 · 📅 April 2025 · 計算化学
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バイオアイソスター置換で生成される大量の候補分子(500本)を、FEP 計算の一部のみで効率的にランキングする「アクティブラーニング FEP」ワークフローを提案した論文。3D-QSAR(コンセンサス回帰+ガウス過程回帰)と FEP を反復的に組み合わせることで、全候補の 16%(80本)の FEP 計算のみで最高活性バイオアイソスターを同定できることを人アルドース還元酵素(ALR2)データセットで実証した。
📣 バイオアイソスター500候補を16%(80本)のFEP計算で効率的にランキング。3D-QSARによる能動学習ループがカギ。Q2=0.89を小データ(30件)で達成、2D-QSARを上回る。
33. Application of Free Energy Perturbation (FEP) Methodology for Predicting the Binding Affinity of Macrocyclic JAK2 Inhibitor Analogues of Pacritinib▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acsmedchemlett.5c00105 · 📅 May 2025 · 計算化学
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マクロ環型 JAK2 阻害剤である pacritinib(PDB: 8BPV)とその 19 種のアナログに対して、静電相補性(EC)スコア・3D-field QSAR・自由エネルギー摂動(FEP)を段階的に適用し、合成優先順位付けの計算フレームワークを構築した論文である。特に FEP においてマクロ環特有の課題—コンフォーマーの多様性と力場選択—が予測精度を大きく左右することを実証し、QM 計算による低エネルギーコンフォーマー生成と GAFF 力場の組み合わせで Kendall's Tau=0.55、Pearson=0.84 という実用的な予測精度を達成した。
📣 マクロ環JAK2阻害剤へのFEP適用:QMコンフォーマー+GAFF力場でPearson=0.84を達成。EC→3D-QSAR→FEPの3段階フィルタで合成候補を絞り込む実用的なCADDワークフローを実証。
34. Structural Consequences of Introducing Multiple Ionizable Residues in a Protein with a Highly Charged Surface▶ スライドあり
DOI: 10.64898/2026.03.11.711144 · 📅 March 2026 · 計算化学
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U1A RNA結合タンパク質の表面に4つのイオン化可能置換(E11K/E12K/D90K/D92K)を導入した変異体が、野生型と劇的に異なる三次元構造(αへリックス含量2倍・三量体形成)を示すことをX線結晶構造解析で実証した論文である。さらに、AlphaFold2・RoseTTAFold2・OmegaFold・ESMFoldという最先端AI構造予測モデル4種がいずれも野生型とほぼ同一の構造(RMSD<1Å)を予測し、この実験的な構造変化を全く捉えられなかったことを示した。AIモデルが埋没イオン化残基を含む系で物理化学的原則に反する予測をするという根本的な限界を明らかにする重要な警告論文である。
📣 4点正電荷置換したU1A変異体の実験構造はαへリックス2倍・三量体形成。しかしAF2・RFold2・OmegaFold・ESMFold全4モデルが予測失敗(RMSD<1Å)。AIの静電気力過小評価を実証。
35. G-screen: Scalable Receptor-Aware Virtual Screening through Flexible Ligand Alignment▶ スライドあり
DOI: 10.64898/2026.03.03.707320 · 📅 March 2026 · 計算化学
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フレキシブルリガンドアライメント(G-align)を受容体形状制約と組み合わせることで、大規模化合物ライブラリの仮想スクリーニング(VS)を高速かつ受容体依存性高く実行するフレームワーク G-screen を提案した論文である。従来のリガンドベース仮想スクリーニング(LBVS)の速度優位性を維持しながら、受容体ポケット形状に適合するかどうかを評価する受容体認識機能を付加した点が核心的な貢献であり、スケーラブルな実装によって数百万化合物の高速スクリーニングが可能である。
📣 G-screen:受容体形状制約付きフレキシブルアライメントで仮想スクリーニング。ドッキングの1/20コストでAUC+0.08を達成。100万化合物を数時間で処理可能。
36. Integrating BioEmu Ensemble Sampling with Molecular Dynamics and Markov State Models for Protein Conformational Analysis▶ スライドあり
DOI: 10.64898/2026.01.07.698041 · 📅 January 2026 · 計算化学
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BioEmu(Biological Ensemble Emulation)と分子動力学(MD)シミュレーションおよびMarkov状態モデル(MSM)を統合することで、タンパク質のコンフォメーション空間を効率的かつ精度高くサンプリングするフレームワークを提案した論文である。Bhakatらの研究であり、BioEmuが生成する多様なコンフォメーションアンサンブルをMDシミュレーションの初期条件として使用し、MSMで動力学的状態を推定することで従来の長時間MDに匹敵するサンプリング効率を実現している。
📣 BioEmu生成アンサンブルをMD初期構造に使い、MSMで動力学状態を定量化。長時間MDの1/10コストで同等サンプリングを達成。タンパク質コンフォメーション解析の新戦略。
37. Evaluating Boltz-2 for Protein-Ligand Binding Prediction: A Large-Scale Computational Study▶ スライドあり
DOI: null (arXiv:2603.05532) · 📅 March 2026 · 計算化学
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Boltz-2のタンパク質-リガンド結合予測性能を大規模に独立評価した論文である。Wan・Covenyらが16,780化合物(ホールドアウトセット)と21,702化合物(最新PDB構造)を用いて、Boltz-2の結合ポーズ精度・親和性相関・計算コストを体系的に評価した。開発者側の主張を第三者が独立検証することで、実際の仮想スクリーニング環境でのBoltz-2の実力を明らかにする位置づけの研究である。
📣 Boltz-2を16780+21702化合物で独立大規模評価。新規構造でのポーズ予測成功率は〜45%に低下。親和性相関はr≈0.45。開発者報告との乖離を実証。
38. Fast Sampling of Protein Conformational Dynamics▶ スライドあり
DOI: 10.1126/sciadv.aea4617 · 📅 2026年(Science Advances) · 計算化学
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短時間(1〜5ns程度)の標準MDシミュレーションから非調和低周波振動モードを抽出し、それを集団変数(CV)として強化サンプリングに使用することで、タンパク質のコンフォメーション転移を事前知識なしに高速かつ正確に探索する手法を提案した研究。従来の強化サンプリング(メタダイナミクス・REST2等)はCV設定に専門知識が必要だったが、本手法はCVを短時間シミュレーションから自動抽出することで「知識不要」の汎用的強化サンプリングを実現する。
📣 短時間MDの非調和低周波振動を集団変数として自動抽出し、事前知識なしで複数タンパク質のコンフォメーション転移を正確予測。知識不要の汎用強化サンプリングとしてlib/mdへの統合を推奨。
39. Physics Beats Diffusion: Agentic AI-Driven Virtual Screening Benchmark on a GPCR Target▶ スライドあり
DOI: 10.21203/rs.3.rs-9142847 · 📅 2026年3月(Research Square プレプリント) · 計算化学
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LLMコーディングエージェント(Claude Code)が高レベルの科学的指示のみで完全な仮想スクリーニング(VS)ベンチマークパイプラインを自律設計・実行した初の事例報告。FPR2(GPCR)をターゲットとしてUni-Dock(物理ベース)とDiffDock(拡散ベース機械学習)を比較し、Uni-DockがROC AUC 0.70–0.73、DiffDockがAUC 0.54–0.56(ほぼランダム)という結果を得た。物理ベースドッキングが拡散ベースMLドッキングを大幅に上回ることを、AIエージェントが自律的に定量化した。
📣 LLMエージェントがFPR2 GPCRのVSベンチマークを自律設計。Uni-Dock AUC 0.73 vs DiffDock AUC 0.55と物理ベースの圧勝。エキスパート設定でさらに+0.02向上。初の自律VSベンチマーク構築事例。
40. Large Library Docking for Polypharmacology: Simultaneous Discovery of Ligands for Multiple GPCR Targets▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.jmedchem.5c03810 · 📅 2026年(J. Med. Chem.) · 計算化学
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Shoichetグループが約9億分子の超大規模ライブラリを3つのGPCRターゲット(α2Aアドレナリン受容体・SERT・MOR)に対して同時ドッキングし、複数受容体に結合するデュアル/トリプルアクティブをin silicoで予測・実験的に確認した研究。従来のポリファーマコロジー探索が順次スクリーニングに依存していたのに対し、超大規模ライブラリを複数ターゲットに一括適用して多受容体プロファイルを最初から設計するアプローチを実証した。
📣 9億分子を3つのGPCRに同時ドッキング。α2A/MOR二重アゴニストをcryo-EMで実験確認し、動物で依存性なし鎮痛を実証。超大規模多受容体スクリーニングでポリファーマコロジーを設計した画期的研究。