Pacritinib(PDB: 8BPV)はJAK2を標的とするマクロ環阻害剤であり、骨髄線維症治療薬として承認されている。マクロ環構造は標的選択性とPK特性の改善に寄与する一方、計算化学的な扱いは依然として難しい。リング閉環によって全体のコンフォーマー自由度は制限されるが、局所的な結合回転(B環の二面角など)は柔軟であり、FEPの初期構造選択を誤ると相対結合自由エネルギーの予測誤差が一気に拡大する。
本研究は19種のpacritinibアナログに対して、合成優先順位付けを目的とした多段階の計算フィルタリングを構築し、特にFEPにおける「コンフォーマー × 力場」の選択指針を確立することを目指した。
QMで4種の低エネルギーコンフォーマーを生成し、cyclic perturbation map上でOpenFF と GAFF を比較。10 ns MDで二面角ダイナミクスも検証した。
EC スコア: Flare V10で全アナログをスクリーニングし EC<0.29 を低活性として排除。低活性化合物の 75% を正確に分類した。
3D-field QSAR: 訓練 49 件 / テスト 20 件で構築し、テストセットで r²=0.52。pIC50粗予測として機能。
FEP: cyclic perturbation map をJAK2タンパク (PDB 8BPV) 上に構築。OpenFF と GAFF を比較した結果、マクロ環の高活性化合物では GAFF が圧勝。
20化合物の大部分で予測誤差が ±0.5 log 単位以内に収束した。
| モジュール | 応用ユースケース |
|---|---|
| lib/fep | DockFEPにマクロ環専用 cyclic perturbation map とQMコンフォーマー前処理を追加 |
| lib/fep | OpenMM + GAFF 実装でFlare V10ワークフローを再現(r=0.84目標) |
| lib/molgen | EC スコア(<0.29)を MolgenYaml の早期フィルタとして実装 |
| lib/md | RMSDAnalyzer に「lever二面角」自動検出機能を追加(10 ns MD) |