タンパク質のコンフォメーション転移(open/closed、活性化ループ運動など)は機能発現と創薬標的選定の根幹だが、実時間スケールはマイクロ秒〜ミリ秒に及び、通常MDでは到達困難。メタダイナミクス・REST2・Umbrella Samplingなどの強化サンプリングが広く使われるが、いずれも適切な集団変数 (Collective Variable, CV)の事前設定が必須であり、open/closed距離やRMSDなど専門知識による手作業設計を要してきた。
AutoMDやPLUMED+RNNといったCV学習型手法も提案されてきたが、いずれも事前訓練データを要し、新規タンパク質にゼロショット適用するのは難しい。BioEmuのような機械学習サンプラーは静的構造分布の生成は得意だが、リガンド結合・温度応答など動的プロセスの追跡には限界がある。
短時間プリランから動的に揺らいでいる軸を統計量だけで自動同定し、その軸を直接CVとしてOPESに渡す。学習・分類器不要、入力はトラジェクトリのみ。
主要評価指標は「結晶構造で確認された参照コンフォメーションを再現できたか」。
各系で 3〜5本の独立run を実施しFES再現性を評価。手作業CVベース・AutoMDとの比較を実施し、CV選定段階の計算時間オーバーヘッドも計測した。
短時間プリラン+PCAだけで完結するため、専門家の介入時間ゼロかつトータル計算予算の1割強で完了する。
| 適用先 | ユースケース | 期待効果 |
|---|---|---|
| lib/md | AnharmonicCVExtractor として実装し RMSD/HBondAnalyzer の前処理に統合 | ターゲットごとに自動でCV提案、専門家不要の高速サンプリング |
| lib/fep | MMGBSAEngine の構造アンサンブル生成をFES上の極小群サンプリングで強化 | 結合自由エネルギー予測の収束加速・代表構造の網羅性向上 |