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📚 月次論文レビュー — 🔬 計算化学

対象期間: 2026-04-01 〜 2026-04-30このページ: 1〜10 件目各ボタンは独立したトグル(複数同時ON可)
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1. kUPS: a molecular simulation engine for the AI era▶ スライドあり
📅 2026年4月 · 計算化学
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kUPS(Kinetics & Universal Physics Simulator)は CuspAI が開発・公開した JAX ベースの GPU-native 分子シミュレーションエンジンである。MD(NVE/NVT/NPT)、Monte Carlo(NVT/µVT)、幾何最適化(FIRE/L-BFGS)、ML force field(MACE、UMA)、古典ポテンシャル(Lennard-Jones, Coulomb/Ewald, 調和結合/角度, Morse)をすべて共通の「Propagator」抽象で統一し、任意の手法を自由に組み合わせ可能にした。 3つの設計原則が kUPS の特徴を規定している。
📣 CuspAI がJAX製分子シミュレーションエンジン kUPS をOSS公開。MD/MC/幾何最適化+ML力場を同一APIで統合、RASPA比49倍高速。PyTorch→JAX変換Tojaxも同時公開。 #MolecularDynamics #MLFF
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2. Advancing Reproducibility and Open Data in Theoretical and Computational Chemistry▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.jctc.6c00733 · 📅 2026年(J. Chem. Theory Comput. / J. Chem. Inf. Model. 連名エディトリアル) · 計算化学
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本稿はJCTCとJCIMの共同編集長・編集委員会による連名エディトリアルである。2026年5月1日以降に投稿されるオリジナル研究論文に対して、主要結論の再現に必要なデータとコードの投稿時公開を義務化するという新ジャーナルポリシーを宣言している。AI/MLの計算化学への急速な普及と計算データ規模の拡大を背景に、再現性確保のための具体的な指針を提示するものである。
📣 JCTCとJCIMが2026年5月から「主要結果の再現に必要なコード・データを投稿時公開」を義務化。AI/MLモデルはtrain/val/test分割情報も必須。計算化学論文の再現性基準が大きく引き上げられる。 #OpenScience
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3. Ensemble Analyzer: An Open-Source Python Framework for Automated Conformer Ensemble Refinement▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.jcim.6c00273 · 📅 2026年4月 · 計算化学
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コンフォーマーサンプリング後の「ダウンストリーム精製ワークフロー」を完全自動化するPythonフレームワーク Ensemble Analyzer(EnAn)を紹介した論文である。CREST、RDKit、GOATなどの既存ツールで生成した大規模コンフォーマーアンサンブルを、多段階QM計算(xTB → DFT最適化 → 高精度SP)にかけて精製するプロセスを、JSONプロトコルファイルだけで定義・自動実行できる。現バージョンはORCA(v5/v6)とGaussian16をバックエンドとしてサポートし、Atomic Simulation Environment(ASE)フレームワークを基盤として採用している。
📣 コンフォーマーアンサンブル精製を自動化するOSS「Ensemble Analyzer」。回転定数ベースの軽量重複除去+PCAクラスタリングでコンフォーマーを最大91%削減。ORCAとGaussianをサポートし、VCD/ECDスペクトルの自動生成・実験値比較も可。 #計算化学
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4. Combined All-Atom Simulations and Biophysical Assays Uncover Loop-Driven Stabilization in the HRAS i-motif▶ スライドあり
DOI: 10.1021/acs.jcim.5c03176 · 📅 2026年3月(J. Chem. Inf. Model. 2026, 66, 3276–3287) · 計算化学
判断:
HRASがんプロモーター領域(hras-1/hras-2)に形成されるi-motif(iHRAS)のモノマー構造・動態を、all-atom MDシミュレーション(GROMACS)と生物物理実験(UV・CD分光)の組み合わせで解明した研究。SISSA・ナポリ大学Magistratoグループによる。X線結晶構造(PDB: 8DHC)が示す二量体iHRASからモノマー構造を予測し、well-tempered metadynamics(wt-MetaD)でi-motif折り畳みを達成後、5 μsの長時間プレーンMDで配座多様性を探索した。i-motifコアがG:Gキャップで安定化される一方、ループが複数の相互変換配座状態をサンプリングし、K+イオン結合がループ安定化に寄与することを示した。
📣 HRASがんプロモーターのi-motifモノマー構造をwt-MetaD+5μs MDで初解明。G:Gキャップがコア保護、ループはK+結合で複数配座を相互変換。iM標的化合物設計に向けた動態基盤を提供。
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5. Drug Discovery and Computational Chemistry: A State-of-the-Art Review▶ スライドあり
DOI: 10.1002/slct.202507418 · 📅 2026年4月(ChemistrySelect、Accepted 2026-04-13) · 計算化学
判断:
本論文はCADD(コンピュータ支援創薬)と計算化学の現状を網羅的にレビューしたものである。グジャラート大学・Nirma大学のグループによるもので、古典的な物理ベース手法(SBDD・LBDD・分子ドッキング・MD・FEP・QSAR)から、最新のAI/ML手法(GNN・生成モデル・Transformer型LM)まで体系的に整理する。特に天然物由来抗がん剤発見へのCADD応用を重点的に扱い、ネットワーク薬理学→ドッキング→MD→ADMET評価の統合ワークフローを詳述する。また量子コンピューティングを将来展望として位置付け、データ品質・モデル解釈可能性・計算コストという現在の三大課題にも率直に言及している。教育的性格の強い包括的レビューであり、新手法の提案より既存手法の整理・比較が主体である。
📣 CADDと計算化学の最新レビュー。ドッキング・MD・FEPからGNN・生成AI・量子計算まで俯瞰。天然物抗がん剤発見へのネットワーク薬理学統合ワークフローも解説。教育・入門用途に有用。
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6. Revisiting Target-Aware de novo Molecular Generation with TarPass: Between Rational Design and Texas Sharpshooter▶ スライドあり
DOI: 10.1002/advs.75411 · 📅 2026年4月(Advanced Science、Received 2026-03-12 / Accepted 2026-04-13) · 計算化学
判断:
Target-aware de novo 分子生成モデルは、近年 SBDD(structure-based drug design)の希望の星として急速に発展してきた。だが「ターゲットを与えれば、それに最適な分子が出てくる」という宣伝文句は、本当にモデルがポケット情報を理解した結果なのか、それとも生成後に「ほら、この分子はちゃんとここに結合してます」と後付けで解釈する Texas Sharpshooter(あとから的を描く)に過ぎないのか — この問いをまっすぐ突きつけたのが本論文である。
📣 TarPass論文:18ターゲット統一ベンチで生成モデル15種を比較。3D in situも多くがランダム超えに失敗、ChEMBLベース有意差少数。PLI×妥当性×drug-likeのmulti-tier post-filterが汎用救済策。OSS公開 #ケムインフォマティクス
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7. Identification of KKL-35 as a novel carnosine dipeptidase 2 (CNDP2) inhibitor by in silico screening▶ スライドあり
DOI: 10.1101/2025.09.27.674371 · 📅 2025年9月(bioRxiv プレプリント) · 計算化学
判断:
カルノシンジペプチダーゼ2(CNDP2)は細胞内のシステイン–グリシン(Cys–Gly)を加水分解してシステインを供給し、グルタチオン(GSH)合成を維持する酵素である。各種がん(卵巣がん・結腸がん・肺がん等)でCNDP2が過剰発現し、酸化ストレス耐性や腫瘍細胞増殖を促進するため、創薬標的として注目されている。唯一の既知阻害剤bestatin(BES)は複数のペプチダーゼを標的とする選択性の低い化合物であり、薬物動態特性も最適でない。本研究はSminaバーチャルスクリーニング→MDシミュレーション→MM-PBSA自由エネルギー計算→ADMET評価というin silicoパイプラインを用いて、KKL-35を新規CNDP2結合分子として同定し、生化学アッセイで阻害活性を確認した。
📣 CNDP2阻害剤KKL-35をSminaスクリーニング+MD+MM-PBSAで同定。BESより低力価(IC50 ~100μM)だが薬物動態特性が優れたリード。がん代謝治療の足がかりに。bioRxiv 10.1101/2025.09.27.674371
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8. DynaRepo: the repository of macromolecular conformational dynamics▶ スライドあり
DOI: 10.1093/nar/gkaf1130 · 📅 2025年10月(Nucleic Acids Research、Database issue) · 計算化学
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DynaRepoは、タンパク質–タンパク質複合体・タンパク質–核酸複合体・単鎖タンパク質を対象とした分子動力学(MD)シミュレーションデータのオープンリポジトリである。フランスのInria/LORIAグループが構築し、欧州連合のMDDB(Molecular Dynamics DataBase)フェデレーションの最初のフランスノードとして位置付けられている。現在700以上のシステムについて計1,146 μsのMDデータを収録しており、RMSD・RMSF・PCA・水素結合・エネルギー・ポケット検出など11種以上の事前計算解析結果をインタラクティブな可視化とREST APIで公開する。
📣 DynaRepo: 700以上の高分子複合体MDデータ(計1,146 μs)をFAIR準拠で公開。RMSD/H-bond/ポケット解析済み。REST API対応。Dynamics-aware DLの訓練基盤に。https://dynarepo.inria.fr/
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9. BindFlow: a free, user-friendly pipeline for absolute binding free energy calculations using free energy perturbation or MM(PB/GB)SA▶ スライドあり
DOI: 10.1101/2025.09.25.678545 · 📅 2025年9月(bioRxiv preprint) · 計算化学
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BindFlow は、絶対結合自由エネルギー(ABFE)計算を完全自動化するオープンソース Python パイプラインである。GROMACS を MD エンジンとして採用し、二種類の ABFE 手法、すなわち(1)アルケミカル FEP(二重デカップリング + Boresch 拘束 + TI/MBAR)と(2)エンドポイント法 MM(PB/GB)SA を一つのフレームワークとして統合している。小分子力場は GAFF-2.11・OpenFF-2.0.0・Espaloma-0.3.1 を内部でサポートし、タンパク質力場は Amber99sb-ildn(デフォルト)または Amber14sb を採用する。
📣 GROMACS+Snakemake で ABFE を完全自動化するOSSパイプライン「BindFlow」。FEP と MM(PB/GB)SA を統合し139配位子で検証。MM-GBSA は FEP の1/180コストで良好なランキングを達成。#cheminformatics #F
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10. Trillion Ligands per Day: Performance-Portable Virtual Screening via Compound Database Optimization and Multi-Target Docking▶ スライドあり
DOI: 10.1145/3712285.3759833 · 📅 2025年11月(SC '25, St Louis, MO, USA) · 計算化学
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中国・山東大学/清華大学/北京生命科学研究所の共同チームが、UCSF DOCK 3ベースのSWDOCKを大幅に発展させたSWDOCKP2を神威OceanLight(約3,900万コア)上で実装し、1日当たり1.9兆リガンド-受容体ペア(8標的同時)のスクリーニングを達成した論文。高性能計算(HPC)分野のトップカンファレンスSC '25に掲載。前世代のSWDOCK比で10倍以上の高速化を実現した。医薬品の化学空間(理論上10⁶⁰化合物)を実用的に探索可能なレベルへの突破口を開くとともに、生成されるタンパク質-リガンド相互作用データセットがML訓練データとして活用できるとしている。
📣 神威OceanLight(3900万コア)でSBVSが1日1.9兆ペア(8標的同時)を達成。DB2コンフォメーション整列+Early Bump+SIMD三線形補間で従来比10倍超。ML学習用大規模PLIデータセット生成も提案。
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