従来のドッキングは活性部位が既知であることを前提とするが、初期創薬や難解標的では結合部位情報が得られないことが多い。盲目ドッキング(blind docking)は受容体表面全体を探索し、潜在的結合部位・アロステリック部位・新規結合領域を構造情報なしで同定できる。タンパク質–タンパク質、タンパク質–ペプチド、タンパク質–低分子の三系統に共通する「結合部位未知」という同一問題設定で語れる点に着目した総説。
→ 2001–2025年の手法を世代別に整理し、性能・主要知見・限界を比較表(Table 1–3)で提示
教訓: 幾何/剛体は高速だが柔軟性に弱く、局所ドッキングは精度と効率を両立する代わり網羅性を犠牲にし、DLは速いが立体化学的妥当性に課題。
局所/フォーカス型は大域探索(33.3%)を大きく上回る。CoBDockはコンセンサスで結合部位精度0.50–0.88を達成。
ANN界面予測は top-(n+2) で95.6%。ペプチドは MDockPeP 約90%、PatchMAN 58%(RMSD≤2.5Å, サンプリング網羅100%)。
GPU並列化は精度を保ちつつ大幅な高速化を実現する一方、DLドッキングは速いが構造の物理的妥当性に課題が残る。
→ 速度向上は顕著だが、立体化学・結合長・タンパク質衝突の妥当性検査が不可欠。