構造ベース創薬では「ゼロから設計するde novo生成」と「既存フラグメントを延伸して最適化するFBDD」という二つの主要戦略が併用されるが、両者は通常別々のモデル・別々のツールチェーンで実装されてきた。TargetDiff・DiffSBDDといった拡散モデルはde novo生成に特化し、ポケット形状を条件付けに使う一方でフラグメント起点の延伸は想定していない。逆にBRICS・FBMC等のFBDDツールは2Dフィンガープリントベースで動作し、ポケットの3D情報を直接利用しないものが多い。
創薬の進行段階(初期ヒット発見〜リード最適化)に応じてモードを切り替えたい実務ニーズに対し、現状はモデルの使い分けと出力フォーマット変換コストが大きい。
ポケット残基を原子トークン化しTransformerで潜在表現化。デコーダーが原子を自己回帰的に追加し、SMILESと3D座標を同時出力。FBDDモードは初期フラグメントを「シード」として与えるだけでモード切替が完結する。
両モードとも実用閾値(validity≥85%, QED≥0.5)を超過。FBDDシードを与えると既知ファーマコフォアが保持され、QEDも僅かに改善する傾向。
複数のPDB由来タンパク質-リガンド複合体に対し、(1) de novoモードでゼロからの生成、(2) FBDDモードで既知フラグメントを起点とした延伸、の双方を実施。出力分子をAutoDock Vinaでポケット内ドッキングし、結合スコア・幾何適合性を評価。
訓練データはPDB複合体・ChEMBL・StoneWise内部DB。複数の生成モデルベースラインと比較し、ターゲットごとの分子集合の質を統計的に評価。
FBDDモードがVina結合スコア・SA共に最良域へ移動。シード由来の合成容易な骨格が維持され、ドッキング親和性も向上する傾向。
| 適用先 | ユースケース | 期待効果 |
|---|---|---|
| lib/molgen | MolgenYamlに統一インターフェースで mode=denovo / fbdd を導入 | 創薬フェーズに応じ単一YAMLで戦略切替 |
| lib/docking | FBDD出力をUniDockRunnerに直接連結し3D座標を再ドッキング検証 | 生成→評価のend-to-end化 |
既存のフラグメントヒット(HTSやFBSヒット由来)をシードに3D分子設計を駆動できるため、社内HTSパイプラインとの結合点を最も明快に提供する手法群の一つ。