古典力場MDは生体分子の結合生成・切断を扱えないため、酸化ストレス・光損傷・酵素反応など反応性を伴う現象を時間発展として追跡できない。一方でQM/MMやMLIPは遷移状態探索の計算コストが膨大で、ナノ秒以上のタイムスケールへのスケーリングが困難である。
| 手法 | 反応性 | 到達時間 | 計算コスト |
|---|---|---|---|
| 古典MD (GROMACS) | × | ns~μs | 低 |
| ReaxFF | ○ | ps~ns | 中 |
| QM/MM | ○ | ps | 非常に高 |
| MLIP | ○ | ns | 高 |
| KIMMDY (本研究) | ○ | ~秒以上 | 低~中 |
遷移状態を一切探索せず、反応物構造のみから速度を推定する点が技術的核心。モジュラー設計で新規反応タイプを追加可能。
graeter-group/kimmdy (GROMACS互換)1-5シフトが最高確率として実験と一致再現。1-2/1-3はバリアの環歪みエネルギーで強く抑制される傾向も正確に予測。
コラーゲン分子に対してラジカル反応カスケードをエミュレート。酸化ストレス下での生体高分子ダメージの動態を、ピコ秒のMD刻み×秒スケールのkMC統合で初めて連続的に追跡できることを実証した。
競合する複数反応 (HAT + 求核置換 + 光二量化) が同時条件でも、Gillespieアルゴリズムで適切な選択比を維持できることを確認。
UV照射下でのシクロブタン型ピリミジン二量体 (CPD) 形成を再現。光化学反応もモジュール追加で扱える拡張性を実証。
| 適用先 | 用途 | 期待効果 |
|---|---|---|
| lib/md | 反応性MDサイクル統合 (KIMMDYラッパー) | 共有結合変化を時間発展として解析可能 |
| lib/molgen | 代謝・分解経路スコアラー | 生体内変換ペナルティを直接スコア化 |
既存 RMSDAnalyzer / HBondAnalyzer をKIMMDY出力トラジェクトリに適用することで、反応前後のコンフォメーション変化を統一的に解析できる。