AlphaFold3 (AF3) と そのオープン版 Boltz-1 はタンパク質-リガンド複合体構造予測において革命的な精度を実現したが、リガンド側に「立体化学誤り」という致命的欠陥が残る。SMILES で明確にキラリティを与えても、逆拡散生成中にキラリティが反転した出力を吐くケースが頻発し、結合長・結合角も理想値から逸脱する。
タンパク質側 RMSD 中央値 ≈ 0.36 Å という高精度の裏で、リガンド sp3 キラル中心が反転すれば薬効・選択性議論は破綻し、生合成・SBDD の実用性は大きく損なわれる。
RFDiffusion の Cα 硬拘束に着想。モデル重みは不変、推論のみ修正。ETKDGv3 を結合長・結合角の参照に採用。
全ステップに拘束を適用した R / Rc が完全一致を達成。
拘束の有無に依らず タンパク質 RMSD 中央値 ≈ 0.36 Å を維持(PLINDER-L95 Before)。学習データと類似度の低い After-P95L70 / After-P70L70 でも AF3 ≈ 0.6 Å, Boltz-1 ≈ 0.75 Å, 90 パーセンタイルは 2.5 Å 以下。
→ 拘束はタンパク質精度を犠牲にせずリガンド立体化学のみを矯正。
R は両指標を約 1/3〜1/4 に圧縮、Rc はキラリティのみ補正のため幾何学は未改善。
SBDD・生合成研究での AF3/Boltz-1 出力をそのまま「実用可能な複合体構造」として使用するための必須前処理になりうる。
| 適用先 | 応用シナリオ |
|---|---|
| lib/docking | AF3/Boltz-1 出力を UniDockRunner の入力前に立体化学検証 → 不正キラリティ構造の自動棄却 |
| lib/fep | Restraint-Guided 構造を MMGBSAEngine の初期座標に採用、立体異性体由来のスコア揺らぎを抑制 |
| lib/md | MD 初期構造としての品質保証、ETKDGv3 ベースの結合長/角アサーションをパイプライン化 |