KRAS変異は癌で最も頻繁に観察される発癌性変異であり、KRAS G12CについてはSwitch II (SWII) ポケットを利用した共有結合阻害薬(ソトラシブ・アダグラシブ)がFDA承認を得ている。一方、KRAS G13Dは結腸直腸癌・肺癌・膵癌で頻繁に検出されるにもかかわらず、D13残基がSWIIポケットから遠く離れ、溶媒露出かつコンフォメーション柔軟性が高いカルボキシレート側鎖であるため、共有結合戦略が適用しにくい。
G12DのMRTX1133はP-loop(12位)アスパラギン酸を標的とするが、G13Dの13位アスパラギン酸はSWIIポケット入口に位置し空間配置が質的に異なる。WT KRASとの選択性確保が長らく未解決の課題であった。
構造指導型ドラッグデザイン (SBDD) を中核に据え、D13側鎖のカルボキシレートと塩橋を形成する塩基性置換基を SWII 結合コアに付加。pKa・形状・溶媒和エネルギーをSARで反復最適化した。
塩橋形成ありで 30倍 の親和性向上、WT に対し ~30倍 の選択性。
SAR反復で WT 選択性は 10倍 → 50倍 に向上。
| 適用先 | ユースケース |
|---|---|
| lib/docking | D13カルボキシレートとの塩橋幾何フィルターを ProLIFCalculator のスコア軸として実装し、KRAS G13D構造へのVS結果を再ランキング |
| lib/molgen | MolgenYaml に 「塩基性基 + SWII結合コア」スキャフォールド制約 を追加し、変異特異的選択性を持つ候補を de novo 生成 |
| lib/fep | WT vs G13D の 相対FEP(DockFEP/MMGBSAEngine) で選択性 ΔΔG を予測し、塩橋形成基の pKa バリアントを定量比較 |