P2X4 受容体は ATP 依存性のリガンド作動性カチオンチャネルで、ミクログリア・マクロファージに発現し、神経因性疼痛と炎症性疼痛における重要なメディエーターとして注目されている。Bayer AG は HTS でフェノキシフェニルアセトアミド型阻害薬シリーズ (P2X4 IC50 < 1 µM) をヒットさせたが、開発に向けて致命的な副作用シグナルを発見した。
→ P2X4 親和性を維持したまま PXR 結合のみを構造的に剥がし、神経因性疼痛モデルで有効性を示せる前臨床候補を作る。
蛍光 Ca2+ フラックスアッセイ (ATP 誘発) で評価。P2X4 ≦100 nM、他サブタイプは µM 域で選択性 >30 倍を達成。
初代ヒト肝細胞での CYP3A4 mRNA 誘導が HTS ヒットから段階的に低下。BAY-1797 は軽微残存だが許容範囲、cmpd 71/73 は誘導改善も PK 不足で脱落。
CFA 足蹠注射で痛覚過敏化したマウスで paw withdrawal threshold (PWT) を測定。BAY-1797 投与群は vehicle に対し統計的に有意に閾値を回復。
| 化合物 | P2X4 IC50 | 選択性 | CYP3A4 誘導 | in vivo PK | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| HTS ヒット | < 1 µM | 未確認 | 強誘導 | — | 不可 |
| cmpd 71 | nM 級 | 確保 | 低減 | BA / t½ 不足 | 脱落 |
| cmpd 73 | nM 級 | 確保 | 低減 | BA / t½ 不足 | 脱落 |
| BAY-1797 | ~100 nM | > 30× | 軽微残存 | tool 化合物可 | 前臨床候補 |
P2X4 効力/サブタイプ選択性/PXR 起因 DDI/PK の 4 軸を同時に満たす一点として BAY-1797 が選定された。中間体 cmpd 71/73 は PXR 誘導は低減できたが PK 適合性で脱落しており、設計の難所が定量的に示されている。