ドライアイ疾患(DED)は米国だけで約 3,900 万人が罹患する慢性炎症性眼表面疾患である。FDA 承認治療薬はわずか 4 剤のみで、効果は緩やかであり患者満足度が低い。JAK-STAT 経路は眼表面炎症に深く関与するため阻害が有望だが、既存の経口 JAK 阻害薬(ルキソリチニブ・バリシチニブ・ウパダシチニブ等)は全身投与向けに最適化されており、芳香族性が高く Fsp3 が低いため水溶性に乏しい。
→ 高水溶性・JAK-STAT 選択性・低オフターゲット親和性を同時達成する点眼用 JAK 阻害薬を設計する
水溶性・キナーゼ選択性・JAK 活性という相互にトレードオフになりがちな三特性を、アゼチジン-3-アミノ橋という単純な sp3 飽和環導入で同時に改善できた。
「点眼薬」という投与経路を設計の中心に置き、角膜透過・水溶性・全身吸収抑制を三位一体で評価する MPO は組織局所投与医薬品の汎用的方法論となる。
π-π スタック依存型結合を sp3 環で排除する戦略は、ATP 結合部位保存性が高い他のキナーゼ阻害薬の選択性問題にも転用可能。
ウサギ・マウス DED モデルでの有効性、涙液希釈・組織分布・全身吸収の ADME、局所投与での免疫抑制リスクは今後の検証課題。