SiteMatcher: PDB相互作用パターンを活用した構造ベースリガンド設計Webサーバー
39,000 PDB複合体 × フラグメント自動接合エンジン(J. Chem. Inf. Model. 2025, 65, 13028−13036 · Ke & Ji et al.)
🎯 PDBに蓄積された結晶学的知識をリガンド設計に直接再利用し、薬化学者の直感的な構造最適化を計算で支援する
① 課題と着想

PDBには240,000以上の構造が蓄積しており、タンパク質-リガンド相互作用の「実績ある使い方」が大量に記録されている。しかし従来ツール(sc-PDB-Frag, PROLIX等)は検索のみで、発見したフラグメントを自動でリガンドに接合する機能がなかった。

既存ツールの限界:HBパターン検索→実際のリガンドへの組み込みは薬化学者の手作業に依存

→ SiteMatcher:DB検索 + 3D自動接合 + Smina最適化を一体化したワンストップツール

② システム構成

📦 P-L相互作用パターンDB

39,000
PDB タンパク質-リガンド複合体
436,108
シングルモードレコード
610,940
ペアモードレコード(15カテゴリ)

タンパク質原子タイプ(A/D/Aro/P/N)でインデックス化 → 高速クエリ

🔗 CAVEATリンカーDB

67種
薬物様リンカー(≤4結合長)
各500
コンフォーマー × CAVEAT記述子前処理

出口ベクトル(距離・2角度・二面角)で幾何適合リンカーを高速選択

③ 5ステップワークフロー
1️⃣ タンパク質 + シードリガンドをアップロード
 Grow(成長)or Replace(置換)モード選択

2️⃣ 成長ベクトル / 置換サブ構造を選択

3️⃣ タンパク質環境解析 → ターゲット原子表示

4️⃣ 構造/薬効団制約を設定

5️⃣ DBクエリ → フラグメント3D配置 → Smina最適化
 スコア順リガンド候補 + PDB IDを提示

平均 89.9秒 で完了 | 無償Webサービス

④ ベンチマーク結果(157ターゲット)
ファミリーターゲット数成功率(%)同定既知活性分子
キナーゼ4472.788
加水分解酵素3551.444
核内受容体1450.017
酸化還元酵素2250.019
GPCR3016.67
イオンチャネル128.31
合計15747.1176

94,683の候補リガンドを生成 | p38α事例: MET109 HBフラグメント22種同定、うち1種は既合成・活性確認済み

⑤ テイクホームメッセージ
🏗️ PDB知識の直接再利用
39,000複合体の「実証済み相互作用パターン」を新規リガンド設計に自動適用。薬化学者の経験的知識を計算ツールに組み込んだ。
90秒リアルタイム設計
平均89.9秒で候補リガンド群を提示。インタラクティブな構造最適化サイクルに組み込めるレスポンス速度を実現。
🎯 キナーゼに強い
72.7%の成功率はHinge領域の保存HBパターンが豊富なためで、DFG/ATP部位の設計に特に有効。
🌐 無償公開・即利用可能
https://sitematcher.xundrug.cn で登録不要で利用可能。API連携でlib/dockingへの統合も将来検討できる。
ケムインフォマティクスへの応用
適用先ユースケース
lib/dockingProLIFCalculator HB残基 → SiteMatcher APIでフラグメント提案
lib/dockingUniDockヒットのフラグメントグロー → 迅速リード展開
lib/molgenMolgenYamlのシード化合物に対する自動フラグメント付加候補生成

Zenodo公開ベンチマークデータで独自ターゲット性能検証を推奨