MolGen-Transformer: SELFIES-based Molecular Language Model for Latent Space Exploration
Yang, Ganapathysubramanian et al. (Iowa State Univ.) — Computational Materials Science, Vol. 269, 114549 (2026) | DOI: 10.1016/j.commatsci.2026.114549
🎯 198M有機分子(医薬品+π共役材料)で学習した54kパラメータのSELFIES-Transformerオートエンコーダ。3種のサンプリング戦略でスキャフォールドホッピング・アナログ生成を実現
① 背景と課題

既存の分子言語モデル(FragGPT・SELF-BART・MolGrow等)はChEMBL/ZINCを訓練データとするため医薬品様分子に偏っており、π共役有機材料・半導体・エネルギー貯蔵分子への応用が限られる。さらに、SMILES-based VAEでは潜在空間内の近傍点が化学的に無関係な分子にマッピングされる非整合性問題が報告されている。

既存MLM: ChEMBL/ZINC偏重 → π共役材料・OLED・有機半導体への応用困難
SMILES VAE: 潜在空間の非整合性(近傍点≠化学的類似分子)→ スキャフォールドホッピング不可
SMILES: 任意文字列が有効分子に対応しない → 生成分子の妥当性フィルタが必要
解決策: SELFIES表現 + 多様な198Mデータ + Transformerオートエンコーダ
② アーキテクチャ(54,821パラメータ)
SELFIES tokens vocab=121, max=400 BiTransformer Encoder (2L,3H,h=100) z (latent) dim=100 Decoder 2L, causal 共有 Embedding (dim=30) 3種のサンプリング戦略 多様性生成 N(0,1)サンプリング 近傍探索 binary+Pareto 潜在補間 z(t)=lerp(z_s,z_e)
③ 訓練データ: 198M有機分子の内訳
データセット構成(合計 198M分子) PubChem 106M (53.5%) GDB-17 50M (25.2%) OCELOT+ 33M (16.7%) ORNL 10M HCEP 2M その他 ZINC・D3TaLES・OCELOT 計317K 0 200M
医薬品様+π共役材料+レドックス活性分子の多様なカバレッジが最大の差別化要因
④ 再構成精度・多様性生成 (n=1000)
再構成精度の訓練推移 (A_mol / A_sym) iter 157 A_mol=100% 100% 50% 0% 0 iter.244 A_mol (分子精度) A_sym (記号精度)
Tanimoto diversity = 0.93
n=1000のランダム生成: 平均ペア間類似度 0.07(ほぼ無関係な分子レベル)
⑤ 近傍探索: 成功率・類似度
基準分子r=20 成功率r=30 成功率
fencamfamine79.81%100%
amphetamine86.92%100%
BTBT93.15%100%
pentacene97.43%100%
Top-3生成分子のTanimoto類似度(基準分子比) 0.0 0.49 0.89 0.49 〜 0.89
12種のPubChem未収録新規構造を発見(SA ≤ 6、大半が硫黄含有構造)
⑥ 潜在空間補間: スキャフォールドモーフィング
補間経路: ベンゼン → BTBT(Tanimoto類似度の単調変化) 1.0 0.0 t=0 (ベンゼン) t=1 (BTBT) 始点類似度(benzeneとの距離) 終点類似度(BTBTとの距離)

ベンゼン→BTBT補間: 環開裂・硫黄導入・縮合環形成が段階的に出現。Tanimoto類似度の単調変化が連続的な潜在空間を実証。

⑦ lib/molgenへの統合提案
  • de novo生成エンジン: MolgenYamlのSMILES生成をSELFIES-Transformerに切り替え → 100%有効分子保証
  • 局所近傍サンプリング: リード化合物中心にr=20〜30でアナログ自動生成 → Paretoフロンティアで多目的最適化
  • スキャフォールドホッピング: 潜在補間で既知活性体A→新規スキャフォールドBの構造経路を探索
  • VSライブラリ拡張: UniDockRunner向けにπ共役系・材料分子を含む多様な候補プールを生成
条件付き生成(binding affinityによる誘導)は未対応 → latent conditioningによるファインチューニングが課題
⑧ 限界点と実装上の注意
近傍探索では既知化合物周辺に集中するため真の新規構造は少ない(r=30でPubChem既収録多数)
SA scoreは合成困難性の不完全な代理指標 — 新規12種の大半は4結合硫黄(超原子価構造)
材料寄りデータセット偏重のため医薬品リード最適化への直接評価は限定的
条件付き生成(binding affinity等の物性値への誘導)は本論文では非対応
実装メモ:

pip install molgen-transformer | GitHub: baskargroup/MolTransformer_repo | α=0でscaffold fidelity重視、α=1で多様性重視

54,821 params
超コンパクト設計 → 個人研究者でも運用可能(再学習も現実的)